子どもの誕生で変わる「親の働き方」

Aさん:子どもと二人きりで、誰も褒めてくれない、目に見える成果もない。何週間も人とまともに会話せず、もう社会に復帰できない気がした。
Eさん:夫は転勤先でもキャリアが続くけど、妻は人間関係も全部ゼロになる。そんな中で子どもの命から将来まで全責任を、夫の分まで背負い込むプレッシャーはすごい。

引用元:2016/1/9 西日本新聞朝刊 (【生きる 働く 第11部】均等って何? 雇用機会均等法30年 多様な「活躍」認める社会に )

正社員として働いた経験があり、転勤族の男性と結婚したのを機に仕事を辞めた5名の専業主婦の方が、今後目指すべき「均等な働き方」を語りあった記事。仕事を辞めて専業主婦になってからの葛藤や思いに共感する方も多いのではないのでしょうか。

「家事も育児も社会を形づくる大切な仕事である」という認識が当人や周囲の意識の中にもっと広がっていくことで、こうした孤独感を少なくできるのかもしれません。お金を稼ぐことだけを「仕事」として捉えるのではなく、外で働く人と家で働く人たちと、それぞれの努力が均等に評価される(認識される)世の中が望まれています。

2013年に出版された竹信三恵子さんの本「家事労働ハラスメント」でも、「家事・育児・介護」などの暮らしの営みが社会で正当に評価されることの必要性が描かれています。

たちの人生には、対価が払われる仕事以外に、日々の食事を用意し、子どもや高齢者をケアするといったもうひとつの労働、家事労働があります。この労働を、だれが、どのように分担するかは、その社会の働き方、福祉、産業に至るまで影響を及ぼします。海外では、社会の変化に見合った家事労働の新しい分担へ向け、すでにさまざまな政策がとられています。それなのに日本社会では、家事労働は無視され、時に蔑視され、これを担った人々は、十分に外で働けないため、経済力や発言力を奪われがちな状態が続いています。これが、「家事労働ハラスメント」です。

引用元:岩波新書「著者からのメセージ」より一部抜粋

食事の準備や後片付け、部屋や水回りの掃除、家族全員分の洗濯、買い物・・・そして、育児や介護。これらは、単純労働ではなく知恵のいる仕事です。また、肉体労働的要素も大きく、日々相当な体力を要します。何より、人の健康や命に関わる、終わりの見えない責任ある仕事です。

しかし、この誰もが必要とする「暮らしの営み」は経済一辺倒の社会の中で「見えない労働」と化しています。

「帰れる場所」は、当たり前に手に入るものではありません。「家で働く人(家の仕事)」という存在を大切にできる世の中であってほしいものです。

「変えたい」のは「女性だけ」ではない

また、共働き世帯が1000万を超える中、今後は「妻の会社でのキャリアを優先して夫が仕事を辞める(専業主夫・転職・独立)」ということも増えてくるかもしれません。

実際に筆者の友人にも「妻の収入が安定していることもあり、独立した」「妻に転勤(昇進)の話があり、応援したかったので自分も転勤先で転職することにした」「家族団欒を大切にしたかったので働き方を変えた」という子育て中の男性がいます。もはや、家庭と仕事の両立において「女性だけ」が働き方を変えたり仕事を辞めたりするとは限らないのです。


「男が稼いで女が家を守る…だけじゃない」
「家事・育児は家族みんなの仕事」

家族観や夫婦観が変化しつつある中、職場においては、男女共にライフステージに合った柔軟な働き方ができるように制度や風土を整えていくことが大切だと感じます。またその一方で、夫婦の間では「今をどう乗り越える?」という話や「◯年後にどうしていたい?」という話を重ねながら、夫婦共に納得感のある道を模索していく関係性づくりも必要です。

皆さんの職場では、子育て中のお母さんだけでなく「お父さんの希望」も拾えていますか?
ご家庭では、家事・育児などの「家の仕事を含めた働き方」の話しができていますか?

子どもの誕生をきっかけに「働き方を変えたい」と思っている人があなたの周りにも「男女を問わず」いるかもしれませんよ。

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