「赤ちゃんが生まれたら自動的に幸せになれる」というイメージが強い妊娠・出産。しかし、産後2年間が最も離婚率が高い時期であることを、あなたは知っていましたか?

2016年度に厚生労働省が母子家庭を対象に行った調査によると、死別を除いた全体の約4割(39.6%)が子どもが0〜2歳の時に離婚を決意。子どもが3~5歳の時に離婚した家庭を含めると、その数は全体の約6割(59.3%)に達していました。

前回、2011年度に実施した同様の調査でも「産後2年が分かれ道」と言わざるを得ないような状況でしたが、5年の歳月を経てもなお事態は改善せず…。それどころか、子どもが0〜2歳の時に離婚に踏み切る人の割合が増えるという結果になっていたのです。

※死別を原因とした母子家庭の方は除く

産後クライシスは、誰にでも起こり得る

子どもが幼く、可愛い盛りであるはずなのにどうして?と思う人もいるかもしれませんが、子どもの可愛さと夫婦関係の良し悪しは別物。むしろ子どもの誕生を機に夫婦間で考え方や行動に乖離が生じたり、それまで気にも留めなかったことが問題になるなど、溝を深めがちです。

背景にあるのは2012年にNHKの「あさイチ」という番組で提唱された「産後クライシス」という現象。産後2年以内に夫婦(特に女性側)の愛情が急速に冷え込むというもので、産後の妻のホルモンバランスの乱れや、夫の育児や家事への関わり方に妻が大きな不満を持つことが引き金になると考えられています。

※産後の妻のホルモンバランスの乱れ

妊娠中に大量に分泌されていた女性ホルモン「エストロゲン」と「プロゲステロン」が産後は急減します。その一方で分泌量が増えるホルモンが「オキシトシン」。これは子どもを守るために分泌されるホルモンで、育児に非協力的な人間に対して攻撃性を高める作用があるとも言われています。

ちなみに、ベネッセ次世代育成研究室が288組の妊娠中のカップルを対象に4年間追跡した「配偶者への愛」に関する調査結果によると、全体の74%の夫婦が、妊娠当初は「本当に愛している」と答えていたにも関わらず、子どもが2歳になる頃には夫婦ともにヒヤリとする結果に…!

特に妻の夫に対する愛情は子どもが0歳の時点で30%近く落ち込むなど、産後1年足らずで「愛情が急激に冷めていく」という恐ろしい状況が報告されています。

ではどうすれば、産後も良好な夫婦関係を築いていくことができるのでしょう?

夫婦の数だけ答えがあるものですが、もしこれを読んでいるあなたが、産後の生活に対する悩みや不安、パートナーに対する不満などを抱えているのなら、これを機に「夫婦会議」を始めてみるのも良いかもしれません。

「対話」が要の「夫婦会議」

「夫婦会議」とは、人生を共に創ると決めたパートナーとより良い未来に向けて「対話」を重ね、行動を決める場のことです。

大切なことは、「わたしたちとして、どうするか?」を考え決めること。夫婦会議は、自分一人の意見を通すため・相手を変えるために行うのではなく、わが子にとって、夫婦・家族にとって「より良い未来・より良い家庭環境」を創り出していくことを目的に行います。

その際、ポイントになるのが、日常的な「会話」から一歩踏み込んだ「対話」です。

「対話」とは、価値観の違いを尊重し、互いに納得のいく結論を導き出していくコミュニケーションの一種。自分と異なる境遇・考えを持つ人と理解や共感を積み上げながら、一つの方向性・目的に対して合意点を見出し、発展性を持たせていく前向きなやりとりのことを言います。

そのため、臭いものに蓋をしてひとりで抱え込むのはNG!

たとえ自分の中に渦巻く感情がネガティブ一色だとしても、生涯を共にすると決めた相手に対してきちんと言葉にして伝えることが、対話のはじめの一歩、夫婦会議の基本姿勢になります。

また、一方的に主張するだけでなく相手の話を聴く(意味を捉える)姿勢も大切です。途中で「ん?」と思うことがあれば「今の話は◯◯という意味?」「もう少し詳しく聴かせて?」「どうしてそう思うの?」などと質問を重ねるのも良いでしょう。相手に対してはもちろんのこと、自分自身の感情・考えにも関心を持ち、相互理解を深めていく。その上ではじめて、妥協とはひと味もふた味も違う、「わたしたち」を主語にした答えを導き出すことができるようになります。

「対話の満足度」が産後の夫婦関係を決める!

ちなみに、2017年に産後夫婦ナビで行った「産後の夫婦の対話」の実態調査でも、夫婦間の「対話の満足度」と「産後クライシス」に相関が見られ、「対話の満足度」が低いほど産後クライシスの傾向が高まるという結果が出ていました。(上図参照)

実際に産後クライシスや離婚を経験したことがある方々にお話を伺うと、「対話不足」が事態を深刻なものにしていったことがよくわかります。

たわいのないお喋りはできても、大切な話ができていかなった。
・お互いが思い描く人生プランや、家事・育児・仕事など、現実に向き合った話をしてこなかった。
・不安や大変さなど、ネガティブな話に耳を傾けなかった。
・どうせ言っても意味がない、自分さえ我慢すれば…と気持ちを伝えてこなかった。

など、「互いのマイナスの感情をプラスに変えていくやりとり」ができず、最悪の事態を迎えているのです。

産前産後の妻たちは、ホルモンバランスの乱れや体の疲れから感情的になりすぎたり、頭が回らなかったりすることも出てきます。また、多くの夫たちは感情に寄り添いながら話を進めるということがそもそも苦手です。(得意な方もおられますが!)それでも、この時期に互いの気持ちを踏まえながら大切なことを話し合える関係がつくれていれば、後々まで続く信頼関係へと発展します。

もとより、別々の人生を歩んできた二人です。「ビジョン、家事、子育て、仕事、お金、住まい、セックス、自由時間、美容と健康、人間関係」など、夫婦の間で話し合っていきたい項目が次々にあらわれる中、「夫婦だから、家族だから」という理由だけで、全てを理解し合えるなどと思わずに、「対話」を通して合意形成できるようになれると、心強いですね。

目指すは「対話を楽しめる」夫婦関係

産後すぐにはじまる、赤ちゃんのお世話。それは、一人の人間を産み育てる大仕事ともいえます。

命の重みをひしひしと感じながら、数時間置きに授乳とオムツ替えを行う日々。夜泣き対応で寝不足な体に鞭を打ち、腫れ上がるおっぱいの痛みに耐えながら掃除や洗濯、料理などの家事にも取り組んでいく日々。そうした「産後」に夫と妻が互いを信頼し協力し合えるかどうかで、夫婦の未来は大きく変わります。

離婚は回避できても、セックスレスや互いへの憎しみの感情へと発展することがないように。夫婦の間に深い爪跡を残し、仮面夫婦を演じ続けるようなことがないように。初動を甘く見ずに夫婦で向き合える関係性を築けると良いですね。

また、今この記事をご覧いただいている方の中で「産後クライシス真っ只中…」「話し合うキッカケすら掴めない…」という方は、弊社で発行している夫婦会議ツール「夫婦で産後をデザインする 世帯経営ノート」の活用や、夫婦会議の始め方講座/体験講座などへの参加もご検討ください。

「何も話したくない!」「今更何をどう話せば良いかわからない」「目を見て話しができない」など、深刻な状況にある方もいらっしゃるかもしれませんが、そうしたネガティブな感情を乗り越えて、夫婦や家族にとって大切な話ができる状態をつくり出していくことができなければこの先はありません。

家庭は社会の最小単位であり、子どもたちが最初に触れる社会そのものです。お互いの気持ちに寄り添っていくうちに「対話を楽しめる夫婦関係」が築けたら良いですね。子どもたちは、そんな両親の姿に多くを学ぶことになると思います。

ご夫婦ご家族の幸せを、心から願っています!

「夫婦会議」を始めてみませんか?

「夫婦会議」とは?

https://www.3522navi.com/start/

「夫婦会議」とは、人生を共に創ると決めたパートナーと、より良い未来に向けて「対話」を重ね、行動を決める場のことです。自分一人の意見を通すため・相手を変えるために行うものではありません。特に育児期においては、わが子にとって、夫婦・家族にとって「より良い家庭環境」を創り出していくことを目的に行います。家庭は社会の最小単位であり、子どもたちが最初に触れる社会そのもの。大切なことを前向きな気持ちで対話していきましょう。

ふたりのペースで「夫婦会議」を始めてみる

夫婦で産後をデザインする「世帯経営ノート」

https://www.3522navi.com/guide/archives/52
家庭も仕事も大切にしたい…もっと夫婦で協力し合えたら…。そんな産後のご夫婦の声を元に開発した「夫婦会議ツール」です。家事、子育て、仕事、お金、住まい、セックス、自由時間、美容と健康、祖父母との関係など、産後の夫婦がすれ違いやすいポイントに的を絞って質問や例題を設定。夫婦を世帯の共同経営者に見立てた「世帯経営」というオリジナルの概念を用いる中で、大切なことを前向きな気持ちで対話できる夫婦関係づくりをサポートします。

家庭は社会の最小単位であり、子どもたちが最初に触れる社会そのもの。わが子に幸せな家庭環境を創り出していける夫婦であるために。夫婦・家族の明るい未来に向けて、ぜひ一家に一冊お持ちください。

※一般販売価格:2,160円
※平成29年度 福岡市トライアル優良商品認定

よその夫婦と一緒に「夫婦会議」を始めてみる