はじめまして、産後夫婦ナビで子育て応援コラムに寄稿することになった佐藤 繭子です!

助産師としての仕事の他に、母乳育児支援に関する専門的な資格、国際認定ラクテーション・コンサルタントとしての活動や、大学での看護師と助産師の卵を育てる取り組みを通じ、命の輝きに寄り添ってきました。得意分野は、母乳育児支援・子ども向けの性教育・子を持つ親への性教育・オトナの性教育・布ナプキン使用とQOLの関連など。

不定期ですが、楽チン育児ができるような情報をお伝えしていきたいと思います。

母乳が上手に飲めていないかも?

「母乳はでているようなのですが、赤ちゃんの体重が増えません」

先日、あるお母さんから母乳育児に関する相談を受けました。

母乳分泌の様子を見せていただくと、確かに射乳反射もあるし、シャーシャーしぼれます。しかし、赤ちゃんが飲んでいる様子を見せていただくと、お母さんと赤ちゃんのお腹が向かい合わせになっていないことが判明!ただ向かい合わせにするのではなく、密着させることも大切。そうすることで赤ちゃんの体がねじれずに母乳を飲むことができるという点をお伝えし、再度授乳姿勢を取っていただくと、ごくごく飲んでいる音が聞こえました。これで飲みとれる量が増えたと思われます。

 

ちなみに、赤ちゃんが「うまく飲み取れていないとき」は、以下のような様子が見られることも。

・口を開けない、またはおちょぼ口をする
・唇が口の中に巻き込まれていて、外から見えない
・赤ちゃんの舌がみえない
・頬がぴんと張っている、またはくぼみがある
・早い舌の動きしかしない
・舌打ちをするような舌を鳴らすような音がする
・授乳が終わった後の乳首がつぶれていたり、すじができていたりする
・授乳中や授乳の後に痛みを感じる
・おっぱいから母乳が十分に飲み取れず、おっぱいが張りすぎる

お母さんも赤ちゃんも初心者同士。

母乳の飲ませ方も飲み方も初めから上手くいかないことの方が多いかもしれませんが、そんな時には…

「抱き方」
「くわえさせ方」
「授乳時間」

まずこの3つのポイントをチェックしてみてください!
それだけで赤ちゃんの体重がぐん!と増えたり、おっぱいの痛みが楽になります。

Point 1、「抱き方」

まずは授乳姿勢を決める「抱き方」のチェックから。①〜⑦までのポイントを参考に、できていない部分があれば調整してみてください。

① お母さんが楽な姿勢で授乳している
② 赤ちゃんの耳・肩・腰を結ぶ線がまっすぐになっている(赤い線)
③ 赤ちゃんとしっかり向かい合い、巻きつけるように密着している(☆のようにすき間なくぴったり)
④ 赤ちゃんの首が少し反って、上を向いている
⑤ 赤ちゃんの顔がまっすぐ乳頭に向かいあっている
⑥ 赤ちゃんの頭を胸に押さえつけていない
⑦ 乳房を支えるときは手を乳輪から離している

Point 2、「くわえさせ方」

 しっかり母乳を飲み取るためには、くわえさせ方も重要になります。①〜⑦までのポイントを参考に、できていない部分があれば調整してみてください。

① 赤ちゃんが口を開けた時、深くまで赤ちゃんの口に入れている
② 赤ちゃんの口が大きく開き、唇が外向きになっている
③ 赤ちゃんの下アゴが乳房に触れている
④ 乳輪が、口の下部より上部にたくさん見えている
⑤ 赤ちゃんがリラックスし、ゆっくりとした飲み方をしている
⑥ 赤ちゃんが母乳を飲んでいる音が聞こえる
⑦ 授乳中に痛みが出ず、授乳後に乳首の形がつぶれていない

Point 3、「授乳時間」

「抱き方」「くわえさせ方」に加えて大切なこと!それが「授乳時間」です。

授乳時間を区切っていませんか?
赤ちゃんが自分から離す前に授乳を終わらせていませんか?

病院によっては、片方のおっぱいから飲ませる時間を「5分ずつにしてください」と指導されているかもしれません。乳頭亀裂を防ぐためと言われていますが、適切なくわえさせ方をしていれば、どれだけ飲んでも乳首は痛くならないものなのです。

また、おっぱいは最初さらっとした甘い味なのですが、だんだん味が変わっていきます。授乳時間が過ぎると共に、脂肪分が多くなっていくのです。そう、ちょうどフレンチのフルコースのように!その味の変化で赤ちゃんは満足して、お口からおっぱいを自分で離します。

上に浮いているのは脂肪です。脂肪の量が最初に比べて後になればなるほど増えているのがわかりますか?(矢印の先端方向が「最後」に出るおっぱい)こんな感じで、母乳の色や性状は変化します。

要するに、5分ごとに切り替えて授乳していると、最初のさらっとしたおっぱいばかりが出て、カロリーの高いおっぱいが飲めないのです。ではどうすれば良いか?

おっぱいをたくさん飲んでいるはずなのに体重が増えない場合には、「片方のおっぱいを満足するまで飲ませてから逆のおっぱいをあげる」ようにしてみるのがオススメです。適切な抱き方とくわえさせ方ができ、赤ちゃんが飲みたいだけ飲むことができれば、数日で体重は増えていくと思います。

ポイントを知っているだけで楽チンになる「母乳育児」

「もっと早く知っていれば、こんなに悩まなかったのに・・・」母乳育児を行うお母さんが口にする言葉No1です。

日々お会いするお母さんたちからの相談の中でも「母乳育児」に関するお悩みは多く、よくよく話を聞いてみると、

・なぜ母乳育児が子どもにもお母さんにも大切なのか
・どうやって母乳育児を軌道にのせるのか
・楽に母乳育児ができる方法はどうすればいいのか

など、基本的なことを教わっていないことが分かります。

母乳だけのお母さんも、混合栄養のお母さんも、人工乳のお母さんも、ひたすら子どものことを考えて行動していることに変わりはありませんが、「母乳育児」に関する適切な知識は持っておくに越したことはありません。なぜなら、お母さんと赤ちゃんの健康や命に影響する大切な話だから。

「母乳育児が大切なのはわかるけど、ストレス~」という方もいらっしゃいます。母乳って、与える量に比例してたくさんのメリットがもらえる、とても素敵なものです。混合栄養だからダメ、ではなく、一口でも与えることが出来たなら、それは「母乳育児をしている」事になります。

完全母乳育児をすべきと言っているわけではありませんが、上手くいかずに悩んだり諦めそうになった時の助けとして、これからも母乳育児の利点や方法に関する情報をお届けできたら嬉しいです。

何より、ポイントを知っているだけで母乳育児はぐーんと楽チンになりますよ(*^_^*)

それではまた次回に!

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おせっかい隊:佐藤 繭子(さとうまゆこ)

千葉県出身、福岡県在住。福岡県立大学大学院看護学研究科終了(看護学修士)

出産後たくさんのママ友の相談を受け、女性の一生に寄り添うべき助産師が女性の側にいないことに気づいた。悩みに寄り添ううち、学生の時に学んだことだけでは足りないと考え大学院へ進学。女性の一生に寄り添うためにはどうしたら良いかを追求した。女性はライフイベントによって大きく環境が変化することが多く、その節々にMy助産師がいれば、女性たちはもっと楽になれるという信念がある。現在は母乳育児に関するセミナーだけでなく、親向け・こども向けのせい教育セミナーや、20~30代の女性に向けたライフプランセミナーなど、6000人以上の女性の悩みに寄り添う支援を行っている。趣味はドライブとお菓子作り。

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